仮想通貨に用いられるPoWシステムとは?その仕組やメリット・デメリットについて!
仮想通貨に投資する場合、仮想通貨についての知識が必要不可欠です。
そのため、仮想通貨の売買を検討している方は仮想通貨についていろいろとリサーチされるかと思います。
しかし、仮想通貨は最先端の技術が集約された通貨ということもあって、聞き慣れない言葉が出てくることも珍しくありません。
そんな仮想通貨関連のワードの中でも、特に頻繁に登場するのが、「PoWシステム」という言葉です。
この記事では、そんなPoWシステムについて詳しく紹介していきます。
PoWシステムの概要についてはもちろん、その仕組みや利用用途、PoSシステムとの違いなどについて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
PoWシステムとは?
PoWシステムは、Proof of Work(プルーフオブワーク)システムの略称です。
仮想通貨のシステムの一つにマイニングというものがありますが、PoWシステムは、そのマイニングに利用されるコンセンサスアルゴリズムの一つです。
マイニングとは?
仮想通貨歴が浅い方の中にはマイニングという言葉そのものが聞き慣れないという方も少なくないでしょう。
そこでマイニングについても簡単に解説しておきたいと思います。
円やドルといった一般的な通貨は、その国の中央銀行によって管理されています。
日本の場合だと日本銀行がそれにあたります。
しかし、ビットコインなどの仮想通貨は特定の団体が管理するような通貨ではありません。
とはいえ、管理自体は必要ですので、仮想通貨の管理はブロックチェーン技術によって行われていますが、その工程の一つである「仮想通貨に関する取引を承認する作業を行うシステム」をマイニングと呼びます。
コンセンサスアルゴリズムとは?
先程も触れたように、ビットコインなどの仮想通貨は銀行などの管理者が管理しているわけではなく、ブロックチェーンと呼ばれるシステムによって管理されています。
管理者が存在しないため、仮想通貨の取引では参加者全員が不正な取引を監視し、正当性について参加者全員で合意する形で承認を行います。
その合意形成をスムーズに行うためのルールとなっているのが、コンセンサスアルゴリズムです。
PoWシステムの仕組みと利用用途
仮想通貨に用いられるコンセンサスアルゴリズムにはさまざまな種類がありますが、PoWシステムも、そのコンセンサスアルゴリズムのうちの一つです。
最も有名な仮想通貨であるビットコインの取引にも、このPoWシステムが用いられています。
数あるコンセンサスアルゴリズムの中でもスタンダードな部類に入るコンセンサスアルゴリズムだと言えるでしょう。
PoWシステムの仕組みはシンプルです。
「一番電力を消費し、ナンス値を見つけるための計算を一番早く終わらせたもの」
つまり、一番よく働いたものに対してブロックを生成する権利が与えられるようになっています。
PoWシステムのメリット・デメリット
仮想通貨のマイニングに利用されるコンセンサスアルゴリズムにはさまざまな種類がありますが、そのコンセンサスアルゴリズムの一つであるPoWシステムには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
PoWシステムのメリットとデメリットについてみていきましょう。
PoWシステムのメリット
PoWシステムの主なメリットとしては、以下の2つがあげられます。
- マイニングに参加するための条件が定められていない
- マイニングされた仮想通貨の価値が高まりやすい
マイニングで報酬を受取るためには、当然ですがマイニングの作業を行わなくてはいけません。
しかし、マイニングの作業を行い、報酬を受け取るには、仮想通貨の保有額や保有数、取引の実績が求められる場合があります。
一方、PoWシステムの場合はそういった条件が設けられていません。
マイニングできる環境さえ整っていれば、誰でもマイニングに参加し、報酬を受取ることができます。
また、後ほど紹介していきますが、PoWシステムは電力コストが高くなる傾向が強いコンセンサスアルゴリズムです。
そのため、マイニングされた通貨の価値が高くなりやすいというメリットもあります。
加えて、ビットコインに採用されるなど、PoWシステムは数あるコンセンサスアルゴリズムの中でも主流のコンセンサスアルゴリズムだと言えるため、流通や取引が安定しています。
その点も通貨の価値が高まりやすい要因の一つだと言えるでしょう。
PoWシステムのデメリット
ビットコインのマイニングにも採用されているPoWシステムですが、メリットばかりでデメリットがないというわけではありません。
PoWシステムには、
- 電力コストが高い
- 51%攻撃を仕掛けられることがある
という2つの大きなデメリットがあります。
マイニングを行うための電力コストが高いという点は、気軽に不正を行いにくいという点にもつながりますが、正当にマイニングを実施しようと考えている方にとってはデメリットとなります。
仮想通貨のマイニングは今やかなりの規模で行われるものに変化してきていますが、その場合、かかる電力コストも膨大です。
PoWシステムは先程も解説したように、「一番電力を消費し、ナンス値を見つけるための計算を一番早く終わらせたもの」に対してブロックを生成する権利があたえられるため、消費される電力もより膨大なものになります。
また、PoWシステムは理論上不正が行えてしまうというシステムでもあります。
PoWシステムは演算力の高いマイナーが評価されるシステムです。
そのため、51%以上の演算力を単独で保有することで理論上不正が行えるようになってしまっています。
これがPoWシステムで度々問題になる、51%攻撃です。
51%攻撃の実施は決して簡単なものではありませんが、PoWシステムの場合、PoSなどのコンセンサスアルゴリズムに比べて51%攻撃を受けやすいというデメリットがあります。
PoWシステムとPoSシステムの違い
PoWシステムのようなコンセンサスアルゴリズムの一つに、PoSシステムというものがあります。
PoSシステムは後発のコンセンサスアルゴリズムで、PoWシステムが持つ問題点を解決する目的で開発されました。
そのため、細かな違いはいくつかありますが、最も大きな違いと言えるのが、報酬の付与に用いられるシステムの違いです。
PoWシステムが「一番電力を消費し、ナンス値を見つけるための計算を一番早く終わらせたもの」に対して報酬が与えられる仕組みであるのに対し、PoSシステムの場合は「コインの保有量や保有年数」によって付与される報酬が決まるようになっています。
<h2>まとめ</h2>
仮想通貨に用いられるコンセンサスアルゴリズムの一つである、PoWシステムについて詳しく紹介してきました。
今回紹介してきたように、コンセンサスアルゴリズムにはメリットやデメリットがありますし、報酬の付与に関するシステムも異なるので、基本的な部分についてはしっかりと理解しておくべきだと言えます。
特にPoWシステムは今の仮想通貨市場において最もスタンダードなコンセンサスアルゴリズムだと言えるので、この記事の内容を参考に、しっかりと理解しておくようにしましょう。